飛行機

飛行機が離陸する時の V1、Vr(Rotate)、V2とは

こんにちは、Richardです!
今回は飛行機が離陸する際にパイロット(または飛行機の自動音声)が発しているV1Vr(Rotate)V2という掛け声について解説していきます。

ちなみに、今回解説する内容は下記の本を参考にしております。
パイロットになりたい人であれば、一読する価値があると思いますので、ぜひ読んでみてください👍

では本題に入っていきたいと思います。
飛行機が離陸する際、パイロットは適当なさじ加減で機首をあげて離陸しているわけではありません。上記の決められた3つの速度に則って飛行機を離陸させています。
これはセスナ機のような小さい飛行機であってもボーイング747のような巨大な飛行機であっても同様です。
今回はそんな重要な役割を持つV1、Vr、V2について学んでいきましょう!

V1(離陸決定速度)

まずはV1からです。
V1とは、飛行機が滑走路を走っている際にこの速度を超えたら離陸を中止すべきではないと定義されている速度です。
つまり、V1の速度に達する前に飛行機にトラブルが発生したら離陸を中止してもいいし、V1を超えた速度で飛行機が滑走路を走っていたらその途中でトラブルが発生しても必ず離陸してねという速度です。

ちなみにV1は離陸前に飛行機の重量や使用されるエンジン推力、滑走路の状態などに基づいてあらかじめ計算されます。

では、V1が実際の現場でどのように使われているかイメージしてみましょう。
まずはコックピットで自分が飛行機の離陸準備をしているところから想像してみてください。
初めに半分の出力でエンジンが安定していることを確認したら、スラストレバーをもっと前に押し倒し離陸推力位置にセットます。すると飛行機が滑走路をゆっくりと加速しながら走りだし、しばらくするとV1の速度に到達します。

V1に達するまではいつでも飛行機の離陸を中止できるようスラストレバーに手を添えたままにし、実際に離陸を中止しなければいけない時のために備えておきます。

では、ここで実際にV1に到達する前に飛行機のエンジンに不具合が発生したとしましょう。
こういった場合、すぐに離陸を中止する判断を行い、スラストレバーをアイドルまで絞った後に、航空機を停止するために必要なことを行います。

こういった場面では短い期間で素早い判断力が必要になってくるので何度も飛行機を飛ばしたパイロットでも緊張する場面です。

一方で、この時点で問題が起きることがなく、無事にV1の掛け声が発っせられたとします。
しかしその後に何かのトラブルが発生してしまいました。
そういった場合、離陸を中断することはできません。そのまま離陸した方が安全だからです。
ここで無理に離陸を中断しようとすれば、滑走路を超えて走ってしまうオーバーランにつながってしまう可能性があり、大変危険です。
なのでV1を超えた後に離陸中止を不注意で行わないよう、V1の掛け声とともにパイロットはスラストレバーから手を離すのです。

VrまたはRotate(機首引き起こし速度)

V1の掛け声があったら、その次に来るのはVr(Rotate)の掛け声です。
Vrとは、パイロットが航空機の操縦桿を引き、機首を上げて離陸してもいい速度として定義されています。
この速度も、航空機の重量や滑走路周りの環境を考慮し、離陸前に計算されます。
Vrの速度に達すると、パイロットは飛行機の引き起こし操作を行うことで水平尾翼の下向き角度を増やし、機首を持ち上げます。

V2(安全離陸速度)

最後はV2です。
V2とは安全離陸速度として定義されており、たとえ1台のエンジンが動作していなくても航空機が安全に上昇することができる最小速度です。また滑走路面より高度35ftで到達しなければいけない速度としても定義されています。
ちなみにV2は航空会社の決まりなどによっては掛け声として発しない場合もあります。

最後に

みなさん、いかがだったでしょうか?
今回はパイロットが上記3つの速度に則って、安全に飛行機を離陸させていたことを学びました。
私たちの安全がきちんと守られているのは、このような一定のルールがあるからですね。
次回、ご自身が飛行機に乗る際には、上記の3つの速度を感じてみてください。

最後に、飛行機が実際に離陸する際のコックピットの様子を写した動画をご紹介します。
ぜひ合わせてご覧ください。
※ちなみに以下の動画はV2の掛け声がないバージョンになります。

引用元:https://youtu.be/mp9PhVxbISA

もっとパイロットや飛行機について学んでみたい!と思っている方は是非以下の本を読んでみてください。
あなたの夢を追いかけるのに必要な知識がきっとたくさんつまっていますよ!

では、このブログが皆さんの役に立ちますように。
To be continued…

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